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掲載日:2013.03.15

アーサー神塚先生追悼記念会報告

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 「アーサー神塚先生追悼記念会」の様子とご子息ジョンさんの「感謝の言葉」を事務局の西川求様よりお送りいただきましたので、同窓生の皆様にご紹介いたします。

 3月12日(火)70名あまりの方々にご参加いただき、瀬棚町民センターにおいてアーサー神塚先生を偲んで追悼記念会が行われました。昨年4月3日夜家族の見守る中で主に感謝して、お一人お一人に声をかけ4日未明眠るように天に召されたと、ご長男のジョンさんから話を聞きました。
  神塚先生の酪農学園での働きは、草創期に始まり、学園の骨子を築き、三愛精神をもって樋浦誠学長と共に多くの職員や学生に福音を述べ伝え、真実の愛に立って三愛塾を開き、地球家族の愛によって行動する素晴らしさを何度も繰り返し述べ伝え、私たちの歩むべき道を指し示してくださいました。
  遠く栃木県より、菊地創先生夫妻、久世礼子先生始め札幌や江別から多数ご参加頂き感謝しております。(文責 西川 求)

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アーサー神塚追悼記念会にて感謝の言葉
 瀬棚の皆様がこのような集会を開いてくださることに私の父がどれほど感謝し、また喜んでいるか、言葉で言い尽くすことができません。瀬棚は父にとってとても深い意味を持った場所でした。父は晩年に一生を振り返り、自分の人生にとって神様の導きが本当に素晴らしいもの、奇跡的なものであったと言っていました。

 父が北海道で過ごした頃のこと、そしてここで出逢い、共に働くことのできた素晴らしい人々のことを常に口にしていました。父によればそれは神様の愛と御手による導きが人間の思いをはるかに超えており、神様が人の望み以上のことをなさる方であることを証する活きた証拠だということでした。この記念会を企画し、実現してくださった方々に私からも感謝をささげます。そして私の兄弟たちや妹も、皆が感謝しています。

 昨年、私は非常に辛い思いをもって日本に来ました。父の容態が悪くなっていたからです。しかし私が日本にいた間、父は生き続けていてくれました。私は帰国するとすぐ、空港から直接に父を見舞いに行きました。父は元気で、私が日本で会った人々についていろいろと質問を浴びせてきました。とくに、数ヶ月前に亡くなった母、彼の妻和子のために瀬棚で記念会が行われたことを話すと、父は深く感動していました。

 今にして振り返って見ると、父は私が日本で見聞きして来たことの報告を聞くために、残された力のすべてを用いて生き続けていたのだと強く思わされます。父はその後15日しか生きていませんでした。その頃、死の床にある人々のほとんどの例に漏れず、父は食物を摂ったり、水を飲んだりすることをしなくなっていました。もちろん、私たちは栄養を摂るように説得しましたが、父はまったく聞き入れようとしませんでした。

 父の死の前日、父の子どもたち、そして孫の何人かがニューヨークにある彼のアパートに集まっていました。父は非常に弱くなって、ベッドに寝ていましたが、私たちが歌う讃美歌に合わせて一緒に歌っていました。父が好んでいた聖書の言葉が読まれ、父が63年共に生きた妻、和子・リリーについての思い出話を私たちがするのを、一所懸命に聞いていました。それでも父は食物と飲み物を断固拒否し続けていました。夕食の頃になって、私の弟の一人がそこに集まっている者たち全員のために、近くの店に食べ物と飲み物を買いに出掛けました。彼が戻って来て、彼は父に夕食に何か食べたいかと尋ねました。父はいつもの通り、何も要らないと答えていました。

 しかし弟が、冷えたビールがあるよ、と言ったところ、皆が本当に驚いたことに、父は全力を振り絞って、少しビールが欲しいと言ったのでした。ビールの注がれたコップが父のところにもたらされた時、父はベッドの上で起き上がり、そこに集まっているすべての人々にもコップを配れと命じました。子どもたちのコップにはジュース、大人たちのコップにはビールが注がれると、父は一人ひとりを見回して、皆を一人ひとり深く愛して来たこと、それ以上に皆に感謝して来たと言い、そして「乾杯」と言いました。父はビールを本当に飲みたかったのではないと思います。しかし、ビールがあると聞いて、皆に最後の「祝福」を与えたいと願ったのだと思います。

 父はビールを一口だけ口に含み、そのままコップを置き、深い眠りにつき、そのまま次の世に旅立って行きました。父がもしこの席にいれば、父は皆様一人ひとりを見つめたいと思ったに違いないと思います。そして父の心は喜びと感謝に満たされ、皆様一人ひとりに「祝福」を捧げたいと願ったに違いありません。父に代わり、母に代わり、また私の兄弟や姉代表して、皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございます。
2013年3月12日 ジョン神塚

酪農学園同窓会(2013.03.15)

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