6月30日(木)午後1時半から学生ホールを会場にして、この4月に制定された名誉博士の授与式と記念講演会が開催され、会場には100名を越える学生や教職員、関係者が出席した。今回、栄えある名誉博士に選ばれたのは千葉県東金市在住の唐仁原景昭氏、北海道中標津町在住の森田正治氏の2名。ともに酪農学園大学獣医学科卒(2期)の同期。
唐仁原氏の推薦理由は公務員獣医師を定年後のライフワークとしてわが国の狂犬病史を明らかにすべく47都道府県すべてを訪問し、公文書や新聞記事等から発生記録を収集した。現在、時系列的データベースを構築し、江戸末期から昭和31年までの狂犬病流行史を執筆中である。
森田正治氏は共済獣医師ののち、平成9年に動物病院を独立開業。道東野生動物保護センターでの傷病野生動物の保護や獣医系学生らの研修生受入を実施。22年間、7泊8日の合宿形式でのセミナーには941名が終了し国内外で活躍。著書の「「野生動物のレスキューマニュアル」は活動の集大成とも言える。
授与式での挨拶で竹花学長は「今後も本学の発展の貢献していただきたい」と述べ、協力依頼を行った。唐仁原景昭氏と森田正治氏には学長からそれぞれ名誉博士の称号が授与された。
記念講演会は田村豊獣医学研究科長の司会で進行し、唐仁原氏は「狂犬病予防法制定前後における犬狂犬病発生頭数の消長と社会的要因分析」と題して講演し、わが国における狂犬病発生の歴史や統計を時系列的に整理して報告した。
森田氏は「野生動物保護活動と研究、獣医系学生に対する野生動物保護(臨床獣医学)教育」と題して、自身の野生動物保護活動の歩みと「夏季野生動物保護セミナー」に実施内容等を紹介した。手付かずの野生動物分野を牽引し、著書執筆等での先駆的な取り組みは内外から高い評価をいただいております。
講演会終了後は記念撮影ののち、夕刻には獣医学科同期等の関係者による両氏を囲んでの受賞記念祝賀会が盛会に行われたようでした。