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掲載日:2012.09.28

<ともに泣き、ともに喜ぶ~ホームカミングデー(9.15)に寄せて>

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                     藤井 創 宗教主任の奨励から

 昨年5月、わたしは被災地ボランティアチーム第5班の学生たちと大船渡市に行きました。現地に着いた翌日、大船渡教会の礼拝に出席しました。その時、ある方がわたしたちに挨拶したいと話し始められました。その挨拶は本学への感謝のことばで溢れ、感極まり、声を詰まらせてしまわれました。その方は、隣町、陸前高田市の和牛の繁殖農家、小澤惣一さんでした。小澤さん家族は無事でしたが、自宅は津波で流され、牧草地も跡形もなくなっていました。高台にあった牛舎は助かったものの、牧草が底をつきかけ、絶望的な状況でした。そんな時、本学から「先発調査隊」が大船渡に派遣されました。調査隊は陸前高田市にも足を伸ばし、学生たちはそこで小澤さんと出会ったのです。

  調査隊のひとり、大学院生の関口明希さんは、小澤さんの苦境に接し、なにかできないかと思案しました。本学に戻った後も小澤さんと連絡を取り、「牧草が不足している」ことなどを本学関係者に伝えました。これを受け、本学教員の尽力もあり、本学と協力関係にある浜中町農協に支援を打診。浜中町で酪農を営む方が牧草ロール25個を提供してくれることになりました。運送費23万円は浜中町農協が負担し、5月28日、その牧草が小澤さんのもとに届けられました。

 その翌日、5月29日に、わたしたちは大船渡教会の礼拝に出席し、小澤さんの挨拶を聞いたのです。わたしたちも、小澤さんのところを訪ね、牛舎の掃除をし、電気のない中、昼食をごちそうになりました。第4班も、力の余った男子学生4人と1教員が小澤さんの被災した自宅の片付けに大活躍していました。

 小澤さんは、大震災からちょうど1年後、今年3月11日、大船渡教会で洗礼を受けました。牧草をアメリカから輸入するなど、厳しい状況が続いていますが、小澤さんが試練や思い煩いをすべて神に委ねて、感謝に溢れて、懸命に生き働いておられる姿が目に見えるようです。小澤さんは娘のさちさんに、本学への進学を進めるようになりました。

 「真面目に牛の世話などを手伝ってくれた学生さんたちの姿に感動した」とのこと。さちさんは、叔母らを震災で失って落ち込み、高校に通えない時期もあったようですが、この夏に本学のオープンキャンパスに参加し、明るく言いました。「景色がきれいで北海道が気に入りました。将来は野生動物の保護に関わる仕事につきたいです。」どうやら酪農学園大学と小澤さん一家のドラマはまだ続いているようです。

 「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(ローマ12章)。これに勝る人生のさいわいはありません。本学の学生たちは、被災地で小澤さんに出会い、まさに「泣く人と共に泣き、喜ぶ人と共に喜ぶ」すばらしい経験を与えられたのです。関口明希さんは、今回の経験を通して「酪農学園大学の底力がわかりました。自分がこの大学に入ったことを誇りに思います」と言っています。酪農学園に連なるさいわいを思い、酪農学園に属することを誇りとしながら、実りの秋を歩んでいきたいと思います。

酪農学園同窓会(2012.09.28)

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